【福岡市・太宰府市・筑紫野市】持ち家と賃貸どっちが得?住宅のプロが徹底比較|想家工房
住宅ローン、50年間の総住居費、資産価値、老後の安心、健康住宅のメリットまで、太宰府市の工務店・想家工房が住宅の専門家として詳しく解説します。
【福岡市・春日市・大野城市・太宰府市・筑紫野市】
「家は資産なのか、それとも負債なのか」――お金だけでは測れない、家族の健康と幸せを守る住まいの選び方
はじめに|「持ち家は損」という意見を、住宅の専門家はどう考えるのか
「家賃は捨て金だから、家を買った方がいい」
「住宅ローンを35年間も払い続けるくらいなら、賃貸の方が自由でいい」
「これから人口が減るのだから、家を買っても資産にはならない」
「老後のことを考えれば、住宅ローンを完済した持ち家があった方が安心」
持ち家と賃貸については、昔からさまざまな意見があります。
そして最近、実業家の堀江貴文氏が、持ち家に対して厳しい見方を示した記事が話題になりました。
その主張を要約すると、人口減少と空き家の増加が進む日本では、住宅を購入しても将来的に資産としての価値が残るとは限らず、むしろ住宅ローンや維持管理費によって人生の自由が制限される可能性がある、というものです。
さらに、住宅購入が人生の夢として広まった背景には、国の住宅政策や住宅産業の経済的な事情があり、「持ち家が当たり前」という価値観そのものを見直す必要があると指摘しています。
この意見には、確かに納得できる部分があります。
人口が減少する地域では、不動産の売却が難しくなる可能性があります。住宅ローンの返済が家計を圧迫することもあります。住宅を購入したからといって、必ず資産価値が維持されるわけではありません。
しかし、私はこの記事を読んで、一つ大きな疑問を感じました。
住宅の価値は、本当に売却価格や経済合理性だけで判断できるのでしょうか。
家は、株式や投資信託のように、利益を得ることだけを目的として購入するものではありません。
家族が毎日食事をし、眠り、子どもが成長し、夫婦が年齢を重ねていく場所です。
冬の寒い朝、布団から出ることをためらわずに済むこと。
夏の夜、暑さで何度も目を覚ますことなく眠れること。
子どもたちが安心して遊べること。
高齢になっても、できるだけ身体に負担をかけずに暮らせること。
地震や台風、停電が発生したときにも、家族の安全を守れること。
こうした価値は、不動産の査定価格だけでは測れません。
福岡県太宰府市を拠点に、筑紫野市、小郡市、筑前町、福岡県南部で家づくりを行う想家工房株式会社では、「健康に過ごせる家が一番」という考え方を大切にしています。
住宅の断熱性能、気密性能、換気、空気環境、耐震性能、そして将来の維持管理まで考え、長く安心して暮らせる住まいづくりに取り組んでいます。
今回は、持ち家と賃貸のどちらかを一方的に推奨するのではなく、住宅に携わってきた専門家の立場から、経済性、資産価値、健康、快適性、災害への備え、老後の生活、そして家族の幸せという視点で考えてみたいと思います。
住宅購入を検討している方だけでなく、現在賃貸住宅にお住まいの方、将来の住み替えを考えている方にも、住まいについて改めて考えるきっかけになれば幸いです。
第1章
そもそも、なぜ日本では「持ち家」が人生の目標になったのか
戦後の住宅不足と日本の経済成長
日本で持ち家が広く普及した背景には、戦後の住宅不足と高度経済成長があります。
戦争によって多くの住宅が失われ、都市部への人口集中も進みました。
国民が安心して暮らせる住宅を確保することは、当時の日本にとって重要な社会課題でした。
1950年には住宅金融公庫が設立され、住宅取得のための長期資金を供給する仕組みが整えられました。
その後、1960年代の高度経済成長期には、所得の増加とともに住宅取得を目指す家庭が増えていきました。
住宅を建てることは、建築業界だけでなく、木材、鉄鋼、セメント、住宅設備、家具、家電、運送など、幅広い産業に需要を生み出します。
そのため、住宅建設が日本経済の成長を支える重要な分野であったことは間違いありません。
住宅ローンや税制上の優遇措置も、持ち家の普及を後押ししてきました。
ただし、こうした政策をすべて「国民に住宅を買わせるための仕組み」と捉えるのは、少し一面的ではないでしょうか。
当時は住宅不足を解消し、国民の居住水準を改善するという重要な目的もありました。
持ち家政策には経済政策としての側面と、国民の生活基盤を整える住宅政策としての側面の両方があったと考えるべきです。
持ち家が「豊かな暮らし」の象徴になった理由
かつて日本では、結婚して家庭を持ち、安定した仕事に就き、マイホームを購入することが、一つの人生設計として広く受け入れられていました。
土地を購入して家を建てることは、家族の生活基盤を築くという意味も持っていました。
子どもたちが育つ場所を確保し、近隣との関係を築き、地域に根を下ろして暮らす。
そのような生活を望む家庭にとって、持ち家は単なる不動産ではなく、暮らしの安定を象徴する存在だったのです。
もちろん、現在では働き方も家族構成も大きく変化しています。
転勤や転職が増え、単身世帯や共働き世帯も増えています。
住宅を所有せず、必要に応じて住む場所を変えるという選択も、以前より一般的になりました。
だからこそ、過去の価値観をそのまま現在に当てはめるべきではありません。
しかし同時に、持ち家を望む人の気持ちまで、古い価値観による思い込みだと決めつける必要もないと思います。
住まいに求めるものは、人それぞれ違うからです。
第2章
人口減少と空き家の増加。「家は資産」という考え方は本当に正しいのか
全国の空き家は900万戸を超えた
総務省の2023年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家数は約900万戸となり、過去最多を記録しました。
空き家率も13.8%に達しています。
つまり、日本全国の住宅のうち、およそ7戸に1戸が空き家という計算になります。
この数字を見ると、住宅の供給と需要のバランスが大きく変化していることが分かります。
ただし、900万戸のすべてが売れない住宅、あるいは管理されていない住宅というわけではありません。
賃貸用住宅や売却用住宅、別荘なども含まれています。
重要なのは、空き家の総数だけではなく、その地域で住宅を必要としている人がどれくらいいるのか、どのような住宅が求められているのかという点です。
今後、人口減少が進む地域では、住宅の売却や賃貸が難しくなる可能性があります。
一方、交通利便性が高く、生活施設や医療機関、教育施設が充実している地域では、引き続き住宅需要が維持される可能性もあります。
同じ福岡県内であっても、地域によって不動産市場の状況は大きく異なります。
太宰府市や筑紫野市でも、駅からの距離、道路条件、土地の形状、周辺環境、災害リスクなどによって、将来の評価は変わってきます。
住宅を購入すれば必ず資産になるわけではない
住宅を購入すると、土地と建物を所有することになります。
しかし、所有していることと、経済的な価値があることは同じではありません。
例えば、住宅ローンの残高が2,500万円あるのに対し、土地と建物の売却価格が2,000万円であれば、売却代金だけではローンを完済できません。
売却するために自己資金を用意しなければならない場合もあります。
また、住宅ローンを完済していても、買い手が見つからなければ簡単に現金化することはできません。
不動産は株式などと違い、必要なときにすぐ売却できるとは限らない資産です。
したがって、住宅を購入する際には「いずれ高く売れるはず」という期待だけで判断することは危険です。
これは住宅会社としても、お客様に正しくお伝えすべきことだと思います。
「築20年で建物の価値がなくなる」は本当なのか
日本の中古住宅市場では、従来、木造住宅の建物価値が築年数とともに大きく下がる傾向がありました。
しかし、ここで区別しなければならないことがあります。
それは、不動産市場における評価額と、住宅そのものの性能や使用可能年数は同じではないということです。
築25年の住宅であっても、構造体が健全で、雨漏りがなく、適切なメンテナンスが行われていれば、その後も住み続けることは可能です。
反対に、築年数が比較的新しくても、施工品質や維持管理に問題があれば、大規模な修繕が必要になることがあります。
建物の価値を考える際には、単純な築年数だけでなく、構造、断熱、耐震、設備、維持管理状況などを総合的に評価する必要があります。
今後の住宅業界に求められるのは、住宅の品質を高めることに加え、その品質を将来の購入希望者にも分かる形で残していくことです。
設計図書、性能評価書、気密測定結果、施工記録、点検履歴、修繕履歴などを適切に保存することも、その一つです。
住宅の性能を説明できる資料があることは、将来の売却やリフォームの際にも役立ちます。
ただし、高性能住宅だから必ず高値で売却できるという保証はありません。
建物の性能とともに、立地や地域の需要も重要だからです。
第3章
賃貸住宅の最大のメリットは「自由」である
持ち家と賃貸を比較する際、賃貸のメリットを軽視してはいけません。
賃貸住宅には、持ち家にはない大きな利点があります。
生活の変化に対応しやすい
例えば、転職によって勤務先が変わった場合、賃貸であれば職場に近い場所へ引っ越すことが比較的容易です。
子どもが生まれて部屋が手狭になれば、広い住宅へ住み替えることもできます。
反対に、子どもが独立して夫婦二人になった場合は、小さな住宅に移ることもできます。
高齢になって車の運転をやめた場合には、駅や病院、スーパーに近い場所へ移るという選択も可能です。
このように、ライフステージに応じて住まいを変えやすいことは、賃貸住宅の大きな魅力です。
持ち家の場合、住み替えるためには現在の住宅を売却したり、賃貸に出したりする必要があります。
その際に買い手や借り手が見つからなければ、希望する時期に住み替えられない可能性があります。
大規模修繕の負担を抑えやすい
賃貸住宅では、通常の使用による建物や設備の経年劣化について、原則として貸主が修繕を負担します。
屋根の修理、外壁の補修、給湯器の交換なども、契約内容や故障原因によりますが、一般的には所有者側の責任となることが多いでしょう。
一方、持ち家の場合は、これらの費用を自分で準備しなければなりません。
住宅ローンの返済額だけを考えて購入すると、後から修繕費が大きな負担になることがあります。
そのため、持ち家を購入する場合には、将来の維持管理費まで含めた資金計画が不可欠です。
賃貸の自由には価値がある
私は、賃貸住宅の自由さには、経済的な金額だけでは測れない価値があると考えています。
人生の変化に合わせて住む場所を変えられることは、働き方や家族の暮らし方を柔軟にするからです。
転勤の可能性が高い方、将来どの地域に住むか決まっていない方、住宅購入のために十分な資金を確保できていない方などは、賃貸を選択する方が合理的な場合があります。
住宅会社だからといって、すべての方に持ち家を勧めるべきではありません。
大切なのは、その方の人生設計に合った住まいを選ぶことです。
第4章
しかし、賃貸住宅にも見落とされがちなリスクがある
賃貸住宅の自由さは魅力ですが、長期的に考えると注意すべき点もあります。
家賃の支払いは生涯続く可能性がある
例えば、月額12万円の賃貸住宅に住み続けた場合を考えてみましょう。
年間の家賃は144万円です。
10年間では1,440万円。
20年間では2,880万円。
30年間では4,320万円。
40年間では5,760万円。
50年間では7,200万円になります。
これは家賃が一切変わらないと仮定した単純計算です。
実際には、更新料、保証料、火災保険料、引っ越し費用などが発生する場合もあります。
また、家賃が上昇すれば、支払総額はさらに大きくなります。
もちろん、賃貸住宅には固定資産税や大規模修繕費を直接負担しなくてよいという利点があります。
そのため、家賃総額だけを持ち家の購入価格と比較して、どちらが得かを判断することはできません。
それでも、家賃を払い続けるということは、老後も住居費のための収入や貯蓄が必要になるということです。
定年退職後も家賃が必要になる
例えば、30歳から65歳まで働き、その後90歳まで暮らすと仮定します。
65歳以降の25年間、家賃10万円の住宅に住み続ければ、家賃だけで3,000万円が必要です。
年金収入や貯蓄の状況によっては、この金額が家計の大きな負担になります。
持ち家であれば、住宅ローンを完済した後は毎月のローン返済がなくなります。
もちろん、固定資産税、火災保険、修繕費、設備交換費などは引き続き必要です。
それでも、家賃相当の支出がなくなることは、老後の生活設計において重要な意味を持ちます。
ただし、ローン完済後に高額なリフォームが必要になる場合もあるため、持ち家なら老後の住居費がゼロになるという説明は正しくありません。
高齢者の賃貸入居問題は解決するのか
人口減少によって賃貸住宅が余るのであれば、高齢者でも簡単に借りられるようになるのではないか。
そのような考え方もあります。
確かに、住宅の空室が増えれば、貸主が入居者を確保するために条件を見直す可能性があります。
また、2025年10月に施行された改正住宅セーフティネット法では、高齢者など住宅の確保に配慮が必要な方を支援する制度が強化されています。
しかし、制度が整備されたからといって、すべての問題が解決するわけではありません。
高齢者の入居を受け入れる賃貸住宅が増えたとしても、希望する場所に、希望する広さや設備を備えた住宅があるとは限りません。
病院やスーパーに近い場所、エレベーターのある建物、段差の少ない住宅など、高齢期に求める条件は多くあります。
また、年金収入や保証会社の審査などによって、入居できる物件が制限される可能性もあります。
今後の住宅政策によって改善が期待される分野ですが、将来必ず希望どおりの賃貸住宅に住めると考えるのは慎重であるべきでしょう。
第5章
持ち家と賃貸を比較するなら「総住居費」で考える
持ち家と賃貸の比較で最も重要なのは、毎月の家賃と住宅ローン返済額だけを比較しないことです。
住宅に関する支出を、生涯にわたって総合的に考える必要があります。
持ち家の総住居費
持ち家の場合、主に次の費用が発生します。
土地と建物の購入費用
住宅ローンの利息
登記費用や各種手数料
固定資産税・都市計画税
火災保険・地震保険
屋根や外壁などの修繕費
給湯器や空調設備の交換費
水道光熱費
将来のリフォーム費用
売却時の費用
住宅を購入した時点の金額だけでなく、住み続ける間に必要な費用まで考えなければなりません。
賃貸住宅の総住居費
賃貸住宅の場合には、主に次の費用があります。
毎月の家賃
共益費・管理費
敷金・礼金・仲介手数料
更新料・保証料
火災保険料
引っ越し費用
水道光熱費
駐車場代
家賃の将来的な変動
これらを30年、40年、50年という期間で比較することが大切です。
さらに、持ち家の場合には将来の土地・建物の売却価値、賃貸の場合には購入に使わなかった資金を運用できる可能性も考慮する必要があります。
具体的な比較例
ここでは、分かりやすくするために仮の条件で比較します。
持ち家は土地・建物を含めて4,000万円、自己資金なしで全額を35年間借り入れ、金利は全期間固定1.5%と仮定します。
この場合、毎月の返済額は約12万2,000円、35年間の返済総額は約5,144万円です。
一方、賃貸住宅は月額12万円、家賃が変わらないものとします。
35年間の家賃総額は5,040万円です。
この段階では、両者の支出は近い金額になります。
しかし、これだけでは結論を出せません。
持ち家には固定資産税、修繕費、保険料などが追加されます。
賃貸住宅には更新費用や保証料、将来の家賃変動などがあります。
また、35年後には持ち家には土地と建物が残りますが、賃貸には所有不動産は残りません。
反対に、賃貸を選んで初期費用や維持費を節約できた場合、その差額を貯蓄や資産運用に回すこともできます。
どちらが経済的に有利かは、購入価格、家賃、金利、維持費、居住期間、将来の不動産価値などによって変わります。
この比較例は住宅ローン減税、諸費用、物価変動、運用益、税金、修繕費などを含まない簡易試算です。実際の判断には、個別条件に基づく詳細な資金計画が必要です。
光熱費を含めると結果はさらに変わる
住宅性能が違えば、毎月の冷暖房費も変わります。
例えば、断熱性能が低い住宅では、冬に暖房を使用しても部屋ごとの温度差が大きくなり、夏には冷房負荷が高くなることがあります。
一方、高断熱・高気密住宅では、適切な設計や換気、日射遮蔽などを組み合わせることで、快適性を維持しながら冷暖房に必要なエネルギーを抑えられる可能性があります。
仮に年間の光熱費に10万円の差が生じるとすれば、30年間では300万円、50年間では500万円の差になります。
ただし、実際の差額は住宅の広さ、設備、家族構成、生活習慣、電気料金などによって変動します。
単純に高性能住宅なら必ず年間10万円安くなるという意味ではありません。
大切なのは、建物価格だけでなく、長期的な光熱費まで含めて比較することです。
第6章
住宅の価値を考えるうえで、最も見落としてはいけない「健康」
ここまで、住宅の経済的な側面について考えてきました。
しかし、私が住宅づくりにおいて最も重要だと考えているのは、家族が健康に暮らせることです。
私たちは、人生の多くの時間を住宅の中で過ごします。
睡眠、食事、休息、家事、育児、そして老後の生活。
住宅は、毎日の生活を支える最も身近な環境です。
その環境が身体に与える影響を、住まい選びから切り離すことはできません。
冬の寒い住宅に潜む問題
日本の住宅には、冬になるとリビングは暖かくても、廊下やトイレ、脱衣所が非常に寒くなる建物が少なくありません。
暖かい部屋から寒い脱衣所へ移動し、さらに熱い浴槽に入る。
こうした急激な温度変化は、血圧の変動などを通じて身体に負担をかける可能性があります。
特に高齢者や循環器系に持病のある方にとっては、注意が必要です。
一般に「ヒートショック」と呼ばれる問題も、こうした住環境と関係しています。
住宅の断熱性能を高め、部屋ごとの温度差を小さくすることは、寒さによる身体への負担を軽減するための重要な対策の一つです。
ただし、高断熱住宅に住めば事故や病気を完全に防げるということではありません。
浴室や脱衣所の暖房、適切な入浴方法、健康状態に応じた注意なども必要です。
それでも、住宅そのものの温熱環境を改善することには大きな意味があります。
夏の暑さも健康に関わる
福岡県では、夏の厳しい暑さが続くことがあります。
太宰府市や筑紫野市でも、日中だけでなく夜間の暑さへの対策が重要です。
断熱性能が低く、日射遮蔽が十分でない住宅では、外からの熱が室内に伝わりやすくなります。
特に2階の部屋や屋根に近い空間では、室温が上昇しやすい場合があります。
高齢者は暑さを感じにくくなることもあり、室内での熱中症にも注意が必要です。
高断熱住宅は外部からの熱の侵入を抑える効果が期待できますが、夏には窓からの日射を遮る工夫や適切な冷房、換気が欠かせません。
住宅性能は断熱材の厚さだけで決まるものではありません。
窓の性能、日射の入り方、建物の向き、気密性能、換気、空調計画などを総合的に考える必要があります。
睡眠環境と住宅性能
私たちの健康を支えるうえで、睡眠は非常に重要です。
暑すぎる部屋や寒すぎる部屋では、快適に眠ることが難しくなります。
また、外部の騒音や室内の温度変化も睡眠環境に影響します。
断熱性や気密性に優れた住宅は、適切な空調計画と組み合わせることで、室温を安定させやすくなります。
さらに、窓や外壁の仕様によっては、外部騒音を軽減する効果も期待できます。
ただし、音の問題は断熱性能だけで決まるものではなく、窓の遮音性能、換気経路、建物の配置なども関係します。
家族が毎日安心して休める環境を整えることは、住宅の重要な役割です。
空気環境も住宅の品質を左右する
住宅の健康性能を考える際、温度だけでなく空気環境にも目を向ける必要があります。
室内では、人の呼吸による二酸化炭素、調理による水蒸気や粒子状物質、建材や家具などから発生する化学物質など、さまざまな要因によって空気の状態が変化します。
そのため、適切な換気が必要です。
高気密住宅では、計画的な換気経路を確保し、必要な換気量を維持することが特に重要になります。
想家工房では、住宅の温度環境だけでなく、空気環境にも配慮した住まいづくりを行っています。
ただし、換気設備や空気清浄設備を設置すれば、すべての汚染物質を完全に除去できるわけではありません。
設備の性能に応じた適切な設計と、フィルター清掃などの維持管理が必要です。
健康的な住環境は、将来への投資でもある
住宅にお金をかけることを、単純な消費と考えることもできます。
しかし、住環境を改善することで、日々の快適性が高まり、身体への負担を軽減できる可能性があるとすれば、その価値をどう評価するべきでしょうか。
寒さを我慢しない暮らし。
暑さによる睡眠の妨げを抑えた暮らし。
温度差の少ない室内で、年齢を重ねても安心して生活できること。
これらは、住宅の売却価格とは別の価値です。
もちろん、住宅性能と医療費の関係を単純な金額に換算することはできません。
それでも、住まいの健康性能を考慮せずに、購入価格と家賃だけで比較するのは不十分だと私は考えます。
第7章
高性能住宅は、なぜ長く暮らすほど価値を感じやすいのか
住宅を購入する際、最初に目が向きやすいのは建築費です。
しかし、長く住み続ける住宅であれば、建築時の費用だけでなく、その後の暮らしやすさと維持管理費も重要です。
断熱性能は後から改善するほど大変になることがある
新築時であれば、壁、屋根、床、窓などの断熱性能を建物全体で計画できます。
一方、完成後に断熱性能を大幅に改善しようとすると、壁や天井を解体するなど、大がかりな工事が必要になる場合があります。
もちろん、内窓の設置や部分的な断熱改修など、比較的取り組みやすい方法もあります。
しかし、建物全体の断熱性能を高めるためには、設計段階から考えておくことが合理的です。
気密性能も施工品質が重要
断熱材を十分に施工していても、建物の隙間が多ければ、意図しない空気の出入りが発生します。
その結果、冷暖房効率や室内の温熱環境に影響することがあります。
気密性能は、図面上の仕様だけではなく、現場での施工精度によって左右されます。
想家工房では、高気密・高断熱の住まいづくりに取り組み、気密測定などによって施工品質の確認を行っています。
住宅性能を考える際には、カタログに記載された断熱性能だけでなく、実際にどのような施工管理が行われているのかを確認することが大切です。
高性能住宅は設備だけで決まらない
高性能住宅というと、太陽光発電や蓄電池、高効率エアコンなどの設備に注目が集まりがちです。
しかし、最初に大切なのは建物そのものの基本性能です。
断熱性能、気密性能、耐震性能、耐久性、適切な換気計画。
これらを十分に考えたうえで、必要な設備を組み合わせることが重要です。
設備には寿命があり、将来的な交換が必要です。
一方、建物の断熱や構造に関する性能は、適切な施工と維持管理が行われていれば、長期にわたって住まいの基本性能を支えます。
住宅を長く使うことを考えるなら、交換できる設備と、後から変更しにくい建物の基本性能を分けて考える必要があります。
第8章
これからの住宅には「災害への備え」という価値も必要
日本は、地震、台風、豪雨など、さまざまな自然災害が発生する国です。
福岡県も例外ではありません。
太宰府市や筑紫野市で住宅を建てる場合にも、地域の災害リスクを確認する必要があります。
住宅の安全性は土地選びから始まる
どれほど丈夫な建物を建てても、土地そのものに大きな災害リスクがあれば、十分な安全性を確保できない場合があります。
住宅を建てる際には、洪水、内水氾濫、土砂災害、地震などのリスクを確認することが重要です。
自治体のハザードマップなどを活用し、土地の特性を理解したうえで計画する必要があります。
また、周辺道路の状況や避難経路、近隣の医療施設なども、暮らしの安全性に関わります。
耐震性能の重要性
地震に対して住宅の安全性を高めるためには、適切な構造設計と施工が欠かせません。
耐震等級は、住宅の地震に対する構造性能を示す指標の一つです。
耐震等級3は、住宅性能表示制度における耐震等級の中で最も高い等級です。
ただし、耐震等級3であれば、どのような地震でも被害が発生しないという意味ではありません。
地盤条件、建物形状、施工品質、維持管理なども重要です。
また、耐震性能だけでなく、必要に応じて制震装置などを組み合わせることも検討できます。
住宅を購入する際には、建物のデザインや価格だけでなく、構造上の安全性についても確認していただきたいと思います。
停電しても暮らしを続けられる住宅
近年は、住宅に太陽光発電や蓄電池を設置する家庭も増えています。
これらの設備は、電気料金への対策だけでなく、停電時の備えとしても役立つ可能性があります。
例えば、太陽光発電と蓄電池を適切に組み合わせることで、停電時にも照明、冷蔵庫、通信機器などに電力を供給できる場合があります。
ただし、建物に倒壊や浸水などの危険がある場合は、自宅にとどまるべきではありません。
安全な避難が最優先です。
住宅の災害対策とは、必ず自宅にとどまることではなく、状況に応じて家族の安全を守る選択肢を増やすことだと思います。
第9章
老後を考えたとき、持ち家と賃貸の価値はどう変わるのか
住宅を購入する際、多くの方が子育て中の生活を中心に考えます。
しかし、住宅に住む期間が40年、50年となれば、子どもが独立した後の暮らしも長く続きます。
住宅は、家族構成や身体の状態が変わっても、できるだけ暮らしやすいものであることが理想です。
老後の住居費をどう確保するか
持ち家の場合、住宅ローンを完済すれば毎月の返済はなくなります。
これは年金生活に入ったときの家計にとって、大きな安心材料になる可能性があります。
一方、賃貸住宅の場合は、原則として住み続ける限り家賃が必要です。
ただし、持ち家にも修繕費や固定資産税などが必要です。
また、老後に住宅のバリアフリー改修が必要になることもあります。
重要なのは、老後の収入を想定し、どちらの住まい方なら無理なく生活を続けられるかを考えることです。
若いときに便利な家が、老後にも便利とは限らない
例えば、子育て中は2階に子ども部屋を設け、1階にLDKを配置する間取りが便利かもしれません。
しかし、年齢を重ねると階段の上り下りが負担になることがあります。
そのため、将来は1階だけでも生活できる間取りを考えておくことも一つの方法です。
寝室として利用できる部屋を1階に設ける。
トイレや浴室への動線を短くする。
廊下や出入口の幅を確保する。
段差を少なくする。
手すりを後から設置しやすい下地を用意する。
こうした工夫は、将来の生活を支える備えになります。
家は家族の変化に対応できることが大切
住宅の間取りは、建築時の家族構成だけに合わせればよいものではありません。
子どもが小さい時期、成長した時期、独立した後、夫婦二人の生活、高齢期。
それぞれの段階で必要な空間は変わります。
将来、子ども部屋を趣味の部屋や書斎として使えるようにする。
間仕切りを変更しやすい設計にする。
家事動線を短くする。
必要に応じてリフォームしやすい構造にする。
こうした柔軟性も、住宅の長期的な価値につながります。
第10章
家を建てるなら、将来の「売りやすさ」も考えるべき
持ち家を購入する際、将来ずっと住み続けるつもりであっても、売却や住み替えの可能性を考えておくことは重要です。
人生には予想できない変化があるからです。
転勤、転職、家族構成の変化、介護、相続などによって、住み替えが必要になることもあります。
立地は後から変えられない
建物の設備や内装は、将来リフォームすることができます。
しかし、土地の場所を変えることはできません。
そのため、土地選びでは現在の生活だけでなく、将来の利便性も考える必要があります。
例えば、駅やバス停までの距離、買い物施設、医療機関、学校、道路の幅、周辺の災害リスクなどです。
車を運転している間は便利でも、高齢になって運転をやめた場合には不便になる場所もあります。
また、将来の売却を考える場合には、土地の形状や接道条件なども重要です。
住宅の資産価値を考えるうえで、立地の影響は非常に大きいと言えます。
個性的すぎる間取りには注意が必要
注文住宅の魅力は、自分たちの暮らしに合わせて自由に設計できることです。
しかし、将来の売却を考えると、あまりにも特殊な間取りや設備は、購入希望者を限定してしまう可能性があります。
もちろん、家族の希望を我慢してまで一般的な間取りにする必要はありません。
ただし、将来の用途変更やリフォームのしやすさを考えておくことは大切です。
自分たちの暮らしに合うことと、将来も使いやすいこと。
この二つを両立する設計が理想だと思います。
維持管理の記録は住宅の信頼性につながる
中古住宅を購入する方にとって、建物がどのように施工され、どのような維持管理を受けてきたのかは重要な情報です。
新築時の設計図書や施工記録、断熱性能や耐震性能に関する資料、定期点検の記録、修繕履歴などが残されていれば、建物の状態を確認する手掛かりになります。
これは住宅を長く使ううえでも大切なことです。
想家工房でも、建物を完成させて終わりではなく、その後の維持管理まで考えた家づくりを重視しています。
第11章
「安い家」と「長く価値を感じられる家」は同じではない
住宅を比較する際、坪単価や建物本体価格だけで判断してしまう方も少なくありません。
しかし、住宅の価格にはさまざまな要素が含まれています。
断熱性能、耐震性能、設備仕様、外壁や屋根の耐久性、施工管理の品質、保証やアフターサービスなどです。
同じ30坪の住宅でも、これらの条件が違えば、建築費が異なるのは当然です。
坪単価だけでは分からない住宅の品質
例えば、ある住宅会社の坪単価が70万円、別の住宅会社が80万円だったとします。
30坪であれば、単純計算で300万円の差があります。
この差額だけを見ると、坪単価70万円の住宅の方が得に感じるかもしれません。
しかし、断熱性能や設備仕様、工事範囲が異なっていれば、同じ条件で比較していることにはなりません。
一方で、高い住宅が必ず高品質というわけでもありません。
価格の違いが何によって生じているのかを確認することが重要です。
建築時にしかできないことを優先する
住宅の予算には限りがあります。
そのため、すべての希望を実現しようとすると、予算を超えてしまうことがあります。
その場合、私は後から変更しにくい部分を優先することが大切だと考えます。
例えば、構造や断熱、気密、基本的な間取り、窓の配置などです。
一方、設備や内装の一部は、将来的に交換や変更が可能です。
もちろん、設備にも生活上の重要性がありますが、建物の基本性能を犠牲にしてまで高価な設備を優先することが適切とは限りません。
限られた予算の中で、何を優先するか。
そこに住宅会社の提案力が問われると思います。
初期費用と生涯費用を分けて考える
住宅の購入価格を抑えることは重要です。
しかし、建築時に費用を削減した結果、冷暖房費や修繕費が大きくなるのであれば、長期的には必ずしも有利とは言えません。
反対に、初期費用をかければ必ず将来の支出が減るというわけでもありません。
設備によっては、導入費用や交換費用が大きくなることもあります。
大切なのは、追加費用によって何が改善され、どの程度の効果が期待できるのかを確認することです。
住宅の性能と費用の関係を、できるだけ具体的に説明することが必要です。
第12章
太宰府市・筑紫野市で住宅を考える方に知っていただきたいこと
住宅の価値は、全国一律ではありません。
地域の気候、土地の価格、交通環境、人口動向、災害リスクなどによって、住まいに求められる条件は変わります。
太宰府市や筑紫野市で住宅を検討する場合にも、地域の特性を考える必要があります。
福岡の夏の暑さと冬の寒さ
福岡県は比較的温暖な地域という印象を持たれることがあります。
しかし、夏は高温多湿で、冬には冷え込む日もあります。
住宅の快適性を考えるうえでは、夏の暑さと冬の寒さの両方への対策が必要です。
特に、日射の影響を受けやすい窓の配置や、建物全体の断熱性能、適切な空調計画などが重要になります。
また、梅雨や台風の時期には湿気への対策も欠かせません。
住宅の断熱性能を高めるだけでなく、換気や防湿、雨仕舞いなどを適切に計画する必要があります。
土地価格だけで判断しない
住宅用地を探す際、土地価格は重要な判断材料です。
しかし、価格が安いという理由だけで選ぶと、後から造成費や地盤改良費、擁壁工事費などが必要になる場合があります。
また、上下水道の引き込みや道路条件によっても、建築費が変わることがあります。
土地と建物を別々に考えるのではなく、建築に必要な費用を含めた総予算で判断することが重要です。
さらに、将来の生活を考えれば、買い物や通院、通勤、通学の利便性も大切です。
現在の暮らしだけでなく、20年後、30年後の生活を想像しながら土地を選ぶことをおすすめします。
地域に根ざした住宅会社の役割
地域で長く住宅づくりを行う工務店には、建物を建てることだけでなく、その地域の暮らしを理解することが求められます。
土地の条件、気候、生活環境、災害リスク、住宅の維持管理。
こうした情報を踏まえて、お客様に合った提案を行うことが重要です。
想家工房では、太宰府市を拠点に、筑紫野市、小郡市、筑前町、福岡県南部で住宅づくりを行っています。
地域の気候や生活環境を考慮しながら、健康と快適性を重視した住まいを提案しています。
第13章
住宅ローンは本当に人生を縛るものなのか
住宅ローンについては、慎重に考える必要があります。
35年間という返済期間は、決して短いものではありません。
その間に、収入や家族構成、健康状態、働き方が変化する可能性があります。
借りられる金額と返せる金額は違う
住宅ローンの審査では、収入や勤務状況、借入状況などをもとに借入可能額が判断されます。
しかし、金融機関が融資できる金額と、家族が無理なく返済できる金額は必ずしも一致しません。
例えば、共働き夫婦の収入を前提に借入額を決めた場合、出産や育児、介護などによって働き方が変わると、返済負担が大きくなることがあります。
また、教育費や車の買い替え、老後資金なども必要です。
住宅ローンを検討する際には、現在の収入だけでなく、将来の支出や収入の変化も考慮する必要があります。
金利上昇のリスク
住宅ローンには、変動金利型や固定金利型などがあります。
変動金利型では、将来の金利上昇によって返済負担が増える可能性があります。
固定金利型では、金利を一定期間または全期間固定できるため、返済計画を立てやすいという特徴があります。
ただし、借入時の金利や商品条件は異なります。
どちらが適しているかは、家計の余裕、返済期間、金利変動に対する考え方などによって変わります。
住宅ローンは、金利の低さだけで選ぶのではなく、将来の返済リスクも含めて検討することが大切です。
住宅ローンそのものが悪いわけではない
住宅ローンは、大きな金額を長期間に分けて返済するための仕組みです。
無理な借入をすれば家計を圧迫しますが、適切な返済計画で利用すれば、住宅取得を実現する有効な方法になります。
問題なのは、住宅ローンを利用することそのものではありません。
将来の生活に必要な資金まで圧迫するような借入を行うことです。
住宅購入によって家族の生活が苦しくなってしまっては、本末転倒です。
家族が安心して暮らすための住宅だからこそ、無理のない資金計画が必要なのです。
第14章
住宅を買わない方がよい人もいる
住宅会社として、あえてお伝えしたいことがあります。
それは、すべての方に住宅購入が適しているわけではないということです。
例えば、近い将来に転勤する可能性が高い方。
住みたい地域がまだ決まっていない方。
収入や生活環境が大きく変わる可能性がある方。
住宅購入によって貯蓄がほとんどなくなってしまう方。
住宅ローンの返済によって、教育費や生活費に大きな負担が生じる方。
このような場合には、購入を急がず、賃貸住宅で暮らしながら将来の計画を考える方がよいこともあります。
住宅購入は、一度決めれば簡単にやり直せるものではありません。
だからこそ、住宅会社には「今は購入しない方がよいかもしれません」と伝える誠実さも必要だと思います。
お客様にとって最適な選択が、必ずしも住宅を建てることとは限らないからです。
第15章
それでも、持ち家を選ぶ価値があるのはなぜか
ここまで、持ち家のリスクや賃貸のメリットについても考えてきました。
そのうえで、私は、持ち家には大きな価値があると考えています。
それは、自分たちの暮らしに合わせて住環境をつくれることです。
家族に合わせた間取りを考えられる
注文住宅であれば、家族の生活習慣や希望に合わせて間取りを計画できます。
共働き夫婦であれば、家事の負担を減らす動線。
子育て世帯であれば、子どもの成長に対応できる空間。
在宅勤務が多い方であれば、仕事に集中できる場所。
高齢期を見据える方であれば、移動しやすく身体への負担が少ない間取り。
こうした工夫を、家族の暮らしに合わせて考えることができます。
温度・空気・水などの住環境を選べる
賃貸住宅では、建物の断熱性能や換気方式、窓の仕様などを入居者が自由に変更することは難しい場合があります。
一方、注文住宅では、建築時にこれらの性能を検討できます。
想家工房では、住まいの温度環境、空気環境、水環境を重視しています。
家族が長く健康に暮らすためには、目に見えるデザインだけでなく、目に見えにくい住宅の基本性能が重要だと考えているからです。
自分たちの暮らしを育てられる
家を建てるということは、建物を所有するだけではありません。
庭で季節の変化を楽しむ。
子どもの成長に合わせて部屋の使い方を変える。
趣味の空間をつくる。
家族の思い出を積み重ねる。
住まいを自分たちの暮らしに合わせて育てていくことも、持ち家ならではの魅力です。
もちろん、賃貸住宅でも豊かな暮らしを実現することはできます。
大切なのは、どちらの住まい方が自分たちに合っているかということです。
第16章
「家は消費である」という考え方について
堀江氏は、住宅購入を投資ではなく消費として捉える考え方を示しています。
私は、この考え方には重要な意味があると思います。
住宅を購入したからといって、必ず資産価値が上がるわけではありません。
住むための住宅は、基本的には生活のために利用するものです。
しかし、仮に住宅を消費として考えるのであれば、その消費によって得られる価値も評価する必要があります。
例えば、自動車を購入するとき、購入価格と売却価格だけで判断するでしょうか。
安全性能、乗り心地、燃費、使いやすさ、家族が乗る人数なども考えるはずです。
旅行に出かけるときも、支払ったお金が将来資産として残らないから無駄だとは考えないでしょう。
旅行で得られる経験や思い出にも価値があるからです。
住宅も同じです。
快適な室内で家族と過ごす時間。
子どもが安心して成長できる環境。
高齢になっても暮らしやすい間取り。
災害に備えた安全性。
これらは、売却価格に直接反映されなくても、住んでいる人にとって価値があります。
住宅の価値には二つの側面がある
私は、住宅の価値を大きく二つに分けて考えることが重要だと思います。
一つは、経済的な価値です。
土地や建物の売却価格、維持管理費、光熱費、住宅ローンの負担などが含まれます。
もう一つは、暮らしの価値です。
健康、快適性、安全性、利便性、家族との時間、精神的な安心感などです。
住宅購入を考える際には、この両方を評価する必要があります。
経済的な負担が大きすぎる住宅は、家族の生活を苦しくする可能性があります。
一方、経済性だけを優先して、寒さや暑さ、安全性を我慢する住まいを選ぶことが、必ずしも最善とは限りません。
大切なのは、家族が無理なく負担できる範囲で、できるだけ質の高い住環境を確保することです。
第17章
これからの工務店に求められる役割
人口減少、建築費の上昇、住宅ローン金利の変化、エネルギー価格の変動。
住宅を取り巻く環境は、以前とは大きく変わっています。
その中で、住宅会社の役割も変わる必要があります。
単に建物を建てるだけでは、お客様の不安を解消することはできません。
住宅購入のリスクを隠さない
住宅を購入する際には、メリットだけでなくリスクもあります。
住宅ローンの返済負担。
将来の修繕費。
固定資産税。
不動産価値の変動。
住み替えの難しさ。
これらを正しく説明することは、住宅会社の重要な責任だと思います。
お客様に住宅を購入していただくために、不都合な情報を隠すような提案は、長期的な信頼につながりません。
住宅性能を分かりやすく説明する
断熱等級、UA値、C値、耐震等級。
住宅業界では、さまざまな専門用語が使われています。
しかし、お客様にとって大切なのは、その数値が暮らしにどのような違いを生むのかということです。
例えば、断熱性能が高いと、冬の室温や冷暖房費にどのような影響があるのか。
気密性能が高いと、換気や空調計画にどのような利点があるのか。
耐震等級3とは、どのような基準なのか。
専門的な内容を、正確で分かりやすい言葉で説明することが必要です。
完成後の暮らしまで考える
住宅会社の仕事は、建物を引き渡した時点で終わるものではありません。
住宅は、完成してから何十年も使われます。
設備の点検、外壁や屋根の維持管理、生活環境の変化に合わせたリフォームなど、完成後にもさまざまな課題が生じます。
住宅を長く使うためには、建築時の品質だけでなく、適切な維持管理も重要です。
地域に根ざした工務店には、お客様が長く安心して暮らせるよう、継続的に相談できる存在であることが求められると思います。
第18章
想家工房が考える、これからの家づくり
想家工房が大切にしているのは、「健康に過ごせる家が一番」という考え方です。
住宅は、見た目の美しさや設備の豪華さだけで評価するものではありません。
毎日を過ごす空間だからこそ、温度、空気、水、そして安全性といった基本的な住環境を重視する必要があります。
高気密・高断熱による快適な住環境
想家工房では、独自に「魔法瓶断熱工法」と呼ぶ高気密・高断熱の住まいづくりに取り組んでいます。
断熱材の施工品質や気密性能を重視し、建物全体の温熱環境を整えることを目指しています。
住宅の性能は、断熱材の種類や厚さだけで決まるものではありません。
窓、屋根、壁、床、気密施工、換気、空調などを総合的に考える必要があります。
私たちは、こうした基本性能を大切にした家づくりを行っています。
空気環境への配慮
住宅の気密性能を高める場合、適切な換気計画が欠かせません。
想家工房では、熱交換型換気設備などを活用し、室内の温熱環境と換気の両立を目指しています。
また、空気環境への配慮として、フィルターや空気処理技術なども検討しています。
ただし、どのような設備にも性能上の限界や維持管理上の注意点があります。
設備の特徴を理解し、適切に使用することが重要です。
耐震性能と災害への備え
想家工房では、住宅の耐震性能にも配慮しています。
また、太陽光発電、蓄電池、エネルギー管理設備などを組み合わせ、災害時の生活継続にも目を向けています。
災害対策では、設備の導入だけでなく、土地の安全性、建物の構造、避難計画などを総合的に考える必要があります。
家族の安全を守るための住まいづくりを、これからも重視していきたいと考えています。
デザインと性能を両立する
住宅は、性能だけでなく、毎日を楽しく暮らせる空間であることも大切です。
家族の好みに合ったデザイン。
使いやすいキッチン。
家事の負担を減らす動線。
光や風を感じられる空間。
落ち着いて過ごせるリビング。
こうした暮らしの豊かさと、断熱・気密・耐震などの基本性能を両立することが、私たちの目指す家づくりです。
無理のない価格で、長く暮らせる家を
どれほど高性能な住宅でも、購入によって家計が苦しくなってしまっては意味がありません。
想家工房では、住宅性能、デザイン、価格のバランスを重視しています。
建築費だけでなく、光熱費や維持管理費なども考慮しながら、お客様の予算と暮らし方に合った住まいを提案したいと考えています。
第19章
持ち家と賃貸で迷ったときに確認してほしい7つのこと
持ち家と賃貸のどちらを選ぶべきか迷ったときには、次の点を考えてみてください。
1.今後、何年間その地域に住む予定なのか
短期間で住み替える可能性が高い場合には、賃貸が適していることがあります。
一方、長期間同じ地域で暮らす予定であれば、持ち家も有力な選択肢になります。
2.将来の収入や働き方はどう変わるのか
転職、独立、育児、介護、定年退職などによって、収入が変化する可能性があります。
住宅ローンを組む場合には、収入が減少したときでも返済を続けられるか考える必要があります。
3.老後の住居費をどのように確保するのか
賃貸であれば、老後も家賃が必要です。
持ち家であれば、ローン完済後も税金や修繕費が必要です。
どちらの場合も、老後の住居費を想定しておくことが重要です。
4.住宅の性能に何を求めるのか
冬の寒さ、夏の暑さ、空気環境、騒音、耐震性能など、住まいに求める条件を整理してみましょう。
賃貸でも高性能な住宅はありますし、持ち家でも性能が十分でない住宅はあります。
所有形態だけでなく、住宅そのものの品質を確認することが大切です。
5.家族構成が変わったときに対応できるか
子どもの成長や独立、高齢期の生活など、将来の変化を考えてみましょう。
持ち家であれば間取りの柔軟性、賃貸であれば住み替えのしやすさが重要になります。
6.災害への備えは十分か
建物の耐震性能や土地の災害リスクを確認しましょう。
賃貸住宅であっても、建物の安全性や避難経路などを確認することが大切です。
7.住まいに何を一番求めるのか
経済的な自由。
移動のしやすさ。
家族の健康。
子育て環境。
老後の安心。
自分たちらしい暮らし。
人によって優先順位は違います。
住宅選びで最も大切なのは、他人の価値観ではなく、自分たちの暮らしに合っているかどうかです。
第20章 結論。
「持ち家か賃貸か」より大切なこと
持ち家と賃貸、結局どちらが得なのでしょうか。
私は、この問いに対して、すべての人に当てはまる答えはないと考えています。
住宅を購入することで、将来の住居費を安定させられる場合があります。
自分たちの希望に合った間取りや住宅性能を実現できることもあります。
一方、賃貸住宅には、住み替えやすさや初期費用の負担を抑えられるというメリットがあります。
住宅購入によって多額の借入を抱えることが、家族の将来にとって大きなリスクになる場合もあります。
大切なのは、それぞれのメリットとデメリットを理解したうえで、自分たちに合った選択をすることです。
そして、もう一つ忘れてはいけないことがあります。
それは、住宅の価値をお金だけで判断しないということです。
住宅を購入した30年後、建物の市場価値が大きく下がっていたとしても、その30年間に家族が快適に暮らし、安心して眠り、健康に配慮された環境で生活できたのであれば、そこには確かな価値があります。
子どもたちが成長し、家族の思い出が積み重なり、夫婦が年齢を重ねていく。
住宅は、その時間を支える場所です。
もちろん、その価値のために無理な借入をしてよいということではありません。
住宅購入によって家計が苦しくなり、生活の自由や安心を失ってしまっては、本来の目的から離れてしまいます。
だからこそ、住宅会社には、建物を販売すること以上に、お客様の人生設計に合った住まいを一緒に考える姿勢が必要だと思います。
堀江貴文氏が指摘するように、これからの日本では、住宅を所有すること自体が資産形成につながるとは限りません。
人口減少や空き家の増加、不動産市場の変化を考えれば、住宅購入には慎重な判断が求められます。
その指摘は、住宅業界に携わる私たちも真剣に受け止める必要があります。
しかし、住宅の価値は、将来いくらで売れるかということだけではありません。
住宅は、資産として残すためだけに建てるものではなく、そこに住む家族が、健康で安心して、幸せに暮らすために建てるものだと私は考えています。
そして、家を購入するか、賃貸で暮らすかを決めるときに、本当に考えていただきたいのは次のことです。
「これからの30年、50年を、どのような住環境で、誰と、どのように暮らしていきたいのか。」
その答えを見つけることが、後悔しない住まい選びの第一歩になるのではないでしょうか。
想家工房から皆様へ
住宅購入を決める前に、住まいのことを一緒に考えませんか
想家工房株式会社は、福岡県太宰府市を拠点に、筑紫野市、小郡市、筑前町、福岡県南部で注文住宅やリフォームなどを手掛ける地域密着型の工務店です。
私たちは「健康に過ごせる家が一番」という理念のもと、高気密・高断熱、耐震性能、空気環境、快適性、デザイン、そして無理のない資金計画を大切にしています。
住宅購入は、人生の中でも大きな決断です。
だからこそ、焦って決める必要はありません。
「持ち家と賃貸、どちらが自分たちに合っているのか」
「今の家賃で、どのくらいの住宅を購入できるのか」
「住宅ローンを組んでも、老後まで安心して暮らせるのか」
「高性能住宅にすると、光熱費や暮らしはどのように変わるのか」
「土地選びや建築費について、専門家の意見を聞いてみたい」
そのような疑問をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
想家工房には、一般的な営業担当者ではなく、建築の専門知識と現場経験を持つスタッフがいます。
住宅を建てることを前提としたお話だけでなく、今の暮らしや将来の生活設計についても、一緒に考えていきたいと思っています。
また、実際に建てた住宅をご見学いただくことで、図面や写真だけでは分からない空間の広がりや、断熱性能、間取りの工夫などをご確認いただけます。
住まいは、建てて終わりではありません。
そこから始まる何十年もの暮らしこそが大切です。
健康に過ごせる家が一番。
これからも想家工房は、家族の健康と幸せを第一に考え、長く安心して暮らせる住まいづくりに取り組んでまいります。
想家工房株式会社
福岡県太宰府市|太宰府BASE
施工対応エリア:太宰府市・筑紫野市・小郡市・筑前町・福岡県南部
電話:092-408-9090
住宅相談・見学予約:ホームページ・LINE・お電話からお問い合わせください。
参考資料・関連情報
総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」
国土交通省「住生活基本計画」
国土交通省「住宅セーフティネット制度」
国土交通省「住宅の省エネルギー基準・断熱性能に関する情報」
国土交通省「長期優良住宅制度」
国土交通省「住宅性能表示制度」
国土交通省「既存住宅の建物評価に関する情報」
厚生労働省・消費者庁等の入浴事故や住宅内の温度環境に関する注意喚起
堀江貴文著『やってはいけない 絶対損する金の使い方』(徳間書店)
※本記事の住宅ローン、家賃、光熱費などの数値は説明用の試算であり、個別の住宅における費用や効果を保証するものではありません。住宅の性能や費用は、建築条件、設備、居住人数、生活習慣、地域、金利などによって異なります。
施工エリア:福岡市(中央区・博多区・南区・西区・早良区・東区)・春日市・大野城市・太宰府市・筑紫野市・那珂川町・糟屋郡(粕屋町・宇美町・志免町・須恵町)・筑豊地区(飯塚市・田川市・田川郡・嘉麻市・嘉穂郡)・筑後地区(久留米市・小郡市・みやま市・八女市・筑後市・大川市・柳川市・うきは市・三井郡・三潴郡・大牟田市近郊)・朝倉市・甘木市・朝倉郡・佐賀県一部(鳥栖市など)
【想家工房株式会社】
【住所:福岡県太宰府市宰府5-20-16】
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