【太宰府市・筑紫野市近郊】地震後も住み続けられる家へ|想家工房のスマートレジリエンス住宅 

query_builder 2026/07/31
コラム


令和8年熊本地震を受けて考える、太宰府・筑紫野の地震に強い家づくり


まずは、令和8年熊本地震により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。


2026年7月28日16時27分、熊本県熊本地方を震源とする大きな地震が発生しました。気象庁の7月30日発表によると、地震の規模はマグニチュード7.1、震源の深さは16kmで、熊本県宇城市と氷川町では最大震度7を観測しました。気象庁は、この地震とそれ以降に発生した一連の地震活動を「令和8年熊本地震」と命名しています。


また、7月30日14時までに、震度1以上を観測した地震が271回発生したと発表されています。


一度の非常に強い揺れだけでなく、その後も地震活動が続いていることから、被災地では引き続き安全の確保が必要な状況です。


気象庁「令和8年熊本地震について」


今回の地震を受けて、「福岡でも同じような地震が起きるのではないか」「太宰府市や筑紫野市を通る警固断層帯は大丈夫なのか」と心配されている方もいらっしゃると思います。


まず、令和8年熊本地震と警固断層帯は別の場所にある断層です。


今回の地震が発生したからといって、警固断層帯の地震がすぐに起きると判断できるものではありません。


異なる地震を安易に結び付けて、必要以上に不安を感じる必要はありません。


一方で、今回の地震は、九州に暮らす私たちに「大きな地震はいつ、どこで発生するか分からない」「一度の揺れだけでなく、繰り返す揺れにも備える必要がある」という大切なことを、改めて示しています。


家づくりで目指すべきことは、地震を予知することではありません。


いつ起きるか分からないからこそ、家族の命を守り、建物の損傷をできる限り抑え、災害後の暮らしと健康を支えられる住まいを準備しておくことです。



福岡にも大きな地震は起こるのか


「福岡は地震が少ない地域だから大丈夫」と考えている方も少なくありません。


確かに、日常的に地震を感じる回数は、国内の一部地域と比べて少なく感じられるかもしれません。しかし、2005年3月20日に発生した福岡県西方沖地震では、福岡県内で最大震度6弱を観測し、住宅やビル、道路、ライフラインなどに大きな被害が発生しました。


地震が少ないと感じる地域であっても、将来の大きな地震が起きないことを意味するわけではありません。


特に、太宰府市・筑紫野市周辺で家づくりや建替え、リノベーションを考える際に知っておきたいのが「警固断層帯」です。



警固断層帯とは


警固断層帯は、福岡市東区の志賀島北西沖にある玄界灘から博多湾、福岡市中心部、春日市、大野城市、太宰府市を経て、筑紫野市付近まで延びる活断層帯です。


地震調査研究推進本部では、過去の活動時期などの違いから、警固断層帯を大きく二つの活動区間に分けています。


  • 玄界灘から志賀島付近にかけての「北西部」

  • 博多湾から福岡市街地、太宰府市、筑紫野市方面へ延びる「南東部」

2005年の福岡県西方沖地震では、主に海側にある北西部が活動しました。


一方、陸側に延びる南東部は、このときには活動しなかったとされています。

地震調査研究推進本部「警固断層帯」



「警固断層帯の割れ残り」とはどういう意味か


警固断層帯南東部について、ニュースやインターネットなどで「割れ残り」という言葉が使われることがあります。


この表現から、地面に大きな割れ目が残っているような印象を受けるかもしれませんが、そのような意味ではありません。


より正確に説明すると、2005年の福岡県西方沖地震で動いた北西部とは別に、そのときには活動しなかった南東部という活動区間が残っている、ということです。


地震調査研究推進本部が公表している2026年1月1日時点の長期評価では、警固断層帯南東部で想定される地震の規模はマグニチュード7.2程度、今後30年以内に地震が発生する確率は0.3~6%とされています。


地震調査研究推進本部「主要活断層帯の長期評価・2026年1月1日算定」

「30年以内に0.3~6%」という数字を見て、「意外に低い」と感じる方もいれば、「6%もあるのか」と感じる方もいるでしょう。


ここで大切なのは、この確率を明日の天気予報のように考えないことです。地震の長期評価には、過去の活動時期や平均的な活動間隔などに関する幅があるため、確率にも幅があります。


また、30年以内の発生確率が低く見える活断層でも、明日地震が起きないことを保証しているわけではありません。


反対に、確率が比較的高いからといって、すぐに地震が発生すると決まったわけでもありません。


発生する日を当てようとするのではなく、住宅を建てる機会や改修する機会に、できる備えを取り入れておく。そのように数字を生かすことが現実的です。



福岡県の最新被害想定から分かること


福岡県は、地震による被害をできる限り具体的に想定し、防災対策に生かすため、「地震に関する防災アセスメント調査」を実施しています。


最新の調査では、警固断層帯の北西部と南東部が連動する厳しい条件のモデルについて、県内で最大震度7となる想定が示されています。


このモデルでは、福岡県内全体で、全壊・全焼棟数約1万9,000棟、半壊棟数約5万9,000棟、避難者約19万7,000人などの被害が想定されています。


福岡県「地震に関する防災アセスメント調査概要」


ただし、これは複数の厳しい条件を設定した県全体の被害想定です。太宰府市や筑紫野市のすべての場所が震度7になる、すべての住宅が大きな被害を受ける、という意味ではありません。


同じ市内であっても、実際の揺れ方や建物被害は、次のような条件によって変わります。


  • 震源となる断層からの距離

  • 地盤の硬さや地形

  • 谷や水田などを造成した土地かどうか

  • 盛土や擁壁の状態

  • 建物の築年数

  • 建築当時の耐震基準

  • 建物の形や壁の配置

  • 屋根や外壁の重さ

  • 基礎、柱、梁、接合部の状態

  • シロアリや雨漏りなどによる劣化

  • 家具、家電、照明器具などの固定状況


そのため、断層からの距離だけで安全性を判断することはできません。



土地探しの段階から始まる地震対策


地震に強い家づくりというと、建物の構造だけに目が向きがちです。しかし、土地の条件を確認することも同じように重要です。


太宰府市と筑紫野市は、それぞれ地震や風水害、土砂災害などに関するハザードマップを公開しています。


太宰府市ハザードマップ


筑紫野市ハザードマップ


ハザードマップを見るときは、色が付いているかどうかだけで判断しないことが大切です。ハザードマップは、一定の条件に基づく被害想定を地図にしたものであり、すべての危険性を完全に示すものではありません。

土地を検討するときには、次の点も確認したいところです。


1. 土地の過去の利用状況

以前は田や池、谷だった場所を造成している場合、地盤改良や排水計画、盛土の状態などを詳しく確認する必要があります。


2. 擁壁の状態

高低差のある土地では、建物だけでなく擁壁の安全性も重要です。古い擁壁や図面・検査記録が確認できない擁壁は、専門家による確認が必要になる場合があります。


3. 周辺道路と避難経路

災害時に道路が塞がれた場合でも避難できるか、緊急車両が近づけるか、複数の避難経路があるかを確認します。


4. 水害・土砂災害との重なり

地震によって斜面が不安定になった後に大雨が降ることも考えられます。

地震だけでなく、浸水や土砂災害の情報も重ねて見る必要があります。


土地の価格や学校区、駅からの距離だけでなく、「災害が起きたときに家族がどう動けるか」という視点を加えることで、土地選びの判断が変わることがあります。



地震に強い家づくりの基本は「耐震」


住宅の地震対策の中心になるのが耐震です。


耐震とは、柱、梁、耐力壁、床、基礎、接合部などによって地震の力に抵抗し、建物の倒壊や崩壊を防ぐ考え方です。


新築住宅では、耐震性能を比較する目安の一つとして「耐震等級」があります。


  • 耐震等級1:建築基準法で求められる最低限の耐震性能に相当

  • 耐震等級2:耐震等級1で想定する地震力の1.25倍に耐えられる水準

  • 耐震等級3:耐震等級1で想定する地震力の1.5倍に耐えられる水準

耐震等級3は、住宅性能表示制度における最高等級です。


国土交通省「耐震性能を等級で確認して、安心の住まいづくり」


ただし、「耐震等級3なら、どのような地震でも損傷しない」という意味ではありません。


耐震等級のうち「構造躯体の倒壊等防止」は、非常に大きな地震に対して、建物がすぐに倒壊・崩壊せず、住む人の命を守ることを主な目的としています。


大きな揺れを受ければ、壁紙のひび割れ、外壁や内壁の損傷、建具の不具合などが生じる可能性はあります。


だからこそ、耐震等級という数字だけでなく、建物全体の構造バランスを確認することが重要です。



耐震等級3でも確認したい構造の中身

同じ耐震等級3でも、間取りや構造計画は一棟ごとに異なります。


特に確認したいのは、次のような点です。


耐力壁のバランス

一方向だけに強い壁が集まっていたり、建物の片側に壁が偏っていたりすると、地震時に建物がねじれるように揺れる可能性があります。


壁の量だけでなく、配置のバランスが大切です。

吹き抜けや大きな窓

開放的な吹き抜けや大きな窓は魅力的ですが、床や壁が少なくなるため、構造計画との両立が必要です。デザインを諦めるのではなく、構造計算を行いながら安全性を確保します。


ビルトインガレージ

1階に大きな開口部を設けるビルトインガレージは、壁の配置が偏りやすくなります。柱や梁、耐力壁、基礎まで含めた慎重な設計が必要です。


屋根や設備の重さ

屋根材だけでなく、太陽光発電設備などの重量も構造に影響します。国土交通省の設計ガイドでは、4kW程度の太陽光発電システムで、設備重量が約400~550kgになる例も示されています。太陽光パネルの設置を前提に、構造安全性や固定方法、防水方法を計画しておくことが大切です。


国土交通省「省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅の設計ガイド」


基礎と地盤

強い建物を計画しても、それを支える地盤や基礎が適切でなければ、本来の性能を十分に発揮できません。


地盤調査結果を基に、必要に応じた地盤補強と基礎計画を行う必要があります。



令和8年熊本地震を踏まえ、想家工房が重視する「制震」

令和8年熊本地震では、非常に強い揺れの後も地震活動が続きました。


このような状況を考えると、家づくりでは「最初の大きな揺れに耐えること」に加えて、「繰り返す揺れによる建物の変形や損傷を、できる限り抑えること」も重要になります。


そこで想家工房が、耐震等級3を基本とした構造計画と併せてご提案しているのが、制震ダンパーです。



耐震と制震は何が違うのか


耐震と制震は、どちらか一方を選ぶものではありません。それぞれ役割が異なります。


耐震の役割

柱、梁、耐力壁、床、基礎、接合部などによって地震の力に耐え、建物の倒壊を防ぐことが基本的な役割です。


制震の役割

制震ダンパーが地震のエネルギーを吸収し、建物の揺れや変形を抑えることが役割です。


国土交通省は、制振オイルダンパーについて、地震時に建物が変形するときに伸縮し、地震のエネルギーを吸収して揺れを抑える効果があると説明しています。


国土交通省「免震材料及び制振部材に関する資料」


分かりやすく例えると、耐震は建物の骨組みを強くして揺れに耐える考え方、制震は揺れのエネルギーを受け止め、建物へ伝わる負担を減らす考え方です。


想家工房では、


  1. 耐震等級3を基本とした構造で、倒壊しにくい骨格をつくる


  2. 制震ダンパーを組み合わせ、揺れや変形をできる限り抑える


  3. 地盤、基礎、接合部まで含めて建物全体で安全性を考える

という順序を大切にしています。



制震ダンパーは付けるだけで安心、ではない


制震ダンパーには、オイル、ゴム、金属などを利用したさまざまな種類があります。それぞれ、力を吸収する仕組みや特性、設置方法が異なります。


そのため、単に「制震ダンパーが付いているかどうか」だけで判断することはできません。


国土交通省の技術開発資料でも、建物の制震効果は耐震壁と制震壁のバランスなどによって大きく変わり、一律に「揺れを何%減らす」と表示することは難しいとされています。


国土交通省「制震デバイスを用いた木造簡易制振壁に関する技術開発」


確認したいのは、次のような点です。


  • その建物の構造や間取りに適した製品か

  • 必要な本数が計画されているか

  • 効果を発揮できる位置に配置されているか

  • 柱、梁、土台、基礎との接合が適切か

  • 製品の性能を確認できる試験資料や評価があるか

  • 想定する地震や建物の変形に合った設計か

  • 地震後の点検方法や交換の考え方が示されているか

制震ダンパーは、耐震性能が不足した建物に取り付ければ、すべて解決するという装置ではありません。


新築では、耐震構造をしっかり計画した上で組み合わせます。既存住宅では、まず耐震診断を行い、必要な耐震補強を検討した上で、制震部材をどのように活用できるかを判断します。



地震の瞬間だけでなく「地震後の暮らし」を考える


大きな地震が発生した後、建物が倒壊しなかったとしても、すぐに以前と同じ生活へ戻れるとは限りません。


電気、ガス、水道、通信、道路、物流などが止まる可能性があります。避難所が開設されても、混雑やプライバシー、感染症、睡眠、食事などの問題から、自宅が安全であれば在宅避難を希望する方も多いでしょう


そこで重要になるのが、「地震に耐える家」から一歩進んだ、「災害後も家族の健康を守りながら暮らせる家」という考え方です。


想家工房では、これをスマートレジリエンス住宅の大切な役割と考えています。



高気密・高断熱は災害時にも役立つ


高気密・高断熱住宅は、光熱費を抑えるためだけの住宅ではありません。

断熱性能が高い家は、外の暑さや寒さの影響を受けにくく、冷暖房が停止した後も室温が急激に変化しにくい特徴があります。


国土交通省の設計ガイドでも、断熱性の高い住宅は一定の室温を保ちやすく、太陽光発電や蓄電池、高効率設備などと組み合わせることで、災害時の在宅避難に役立つとされています。


国土交通省「省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅の設計ガイド」


真夏に停電してエアコンが止まれば、室温の上昇によって熱中症の危険が高まります。冬に暖房が止まれば、特に高齢者にとって低温や部屋間の温度差が身体への負担になります。


普段から家の中の温度差を小さくすることは、災害時だけでなく、日常の健康を守ることにもつながります。


国土交通省の調査では、断熱改修後に居住者の最高血圧が平均で低下したことや、室温が低い住宅では高血圧などの健康リスクが高まる傾向が報告されています。


国土交通省「ヒートショック防止等の健康増進リフォーム」


特に60代前後からの建替えやリノベーションでは、耐震性と同時に、脱衣室、浴室、トイレ、廊下、寝室などの温度差を小さくすることが重要です。



太陽光発電と蓄電池は「停電時の使い方」まで確認する


太陽光発電を設置していても、停電時に家中の電気を普段どおり使えるとは限りません。


停電時に太陽光発電の電気を利用するためには、自立運転機能を備えたシステムが必要です。


また、自立運転用コンセントだけが使えるタイプと、住宅の特定回路または全体へ給電できるタイプでは、使い勝手が大きく異なります。


一般的な太陽光発電の自立運転では、使用できる電力が最大1,500W程度となる機種もあります。冷蔵庫、照明、携帯電話の充電、テレビ、電子レンジ、電気ケトルなどを同時に使用すると、容量を超える場合があります。


蓄電池を導入するときも、容量の数字だけでなく、次の点を確認する必要があります。


  • 停電時に使える電気の最大出力

  • 100Vだけでなく200V機器も使えるか

  • 家全体へ給電する全負荷型か、必要な回路だけの特定負荷型か

  • エアコン、IH調理器、エコキュートなどを使用できるか

  • 太陽光発電から蓄電池へ充電できるか

  • 停電時の切替え方法

  • 何時間、どの設備を使いたいか

  • 平常時に操作方法を確認できているか

「蓄電池があるから安心」ではなく、家族が災害時に使いたい設備から必要な容量と出力を考えることが大切です。



空気環境と換気も止まる可能性がある


高気密住宅では、計画換気によって室内の空気を入れ替えています。平常時には、花粉、PM2.5、湿気、においなどへの対策として、適切な換気が重要です。


しかし、停電すると機械換気が停止する可能性があります。


そのため、災害時には窓を安全に開けられるか、雨天時でも換気できる場所があるか、蓄電池から換気設備へ給電するかなども検討します。


想家工房が大切にしている「温度・空気・水」の三つの環境は、日常の快適性だけでなく、災害後の健康を考える上でも重要です。


ただし、設備を導入すれば災害時の問題がすべて解決するわけではありません。設備が止まった場合の使い方も含めて考えることが必要です。



水とトイレの備えは住宅設備だけに頼らない


断水すると、飲料水だけでなく、トイレ、手洗い、調理、洗濯などにも影響が出ます。


内閣府は、家庭の備蓄について、飲料水は一人1日3リットルを目安に、最低3日分、できれば1週間程度を準備するよう案内しています。


内閣府「自然災害への備えをチェック」


4人家族で1週間分を考えると、飲料水だけでも、

3リットル×4人×7日=84リットル

が一つの目安になります。


一度にすべてを防災用品として購入するのではなく、普段から使う水や食品を少し多めに備え、使った分を買い足すローリングストックにすると無理なく続けられます。


また、災害時にはトイレの問題が深刻になります。水が流れない状態で無理に使用すると、排水管の破損や詰まりによって汚水が逆流する可能性があります。携帯トイレ、トイレットペーパー、消臭袋、手袋などを準備し、家族人数に合わせた必要量を考えておくことが重要です。


全館浄水や貯湯式給湯器を設置していても、断水時に普段どおり水が使用できるとは限りません。


利用できる水の取り出し方や注意事項を、平常時に確認しておきましょう。



家具の転倒と室内の安全対策


建物が倒壊しなくても、家具や家電の転倒、収納物の落下、ガラスの飛散によってけがをすることがあります。


間取りを考えるときから、次のような対策を取り入れることができます。


  • 背の高い家具を置かなくて済む収納計画

  • 造り付け収納の採用

  • 家具を固定できる下地の設置

  • 寝室のベッド周辺に倒れる家具を置かない

  • 子ども部屋の避難経路を家具で塞がない

  • 吊り戸棚や食器棚に耐震ラッチを設置する

  • 大型テレビ、冷蔵庫、電子レンジを固定する

  • 窓や収納扉のガラス飛散防止を検討する

  • 停電時に点灯する足元灯を設ける

  • 玄関までの避難経路に物を置かない

子育て世帯では、就寝中に地震が起きたとき、親が子どもの部屋まで安全に移動できるかも考えておきたい点です。


60代前後のご夫婦では、家具の転倒防止に加え、停電時でも段差につまずきにくいこと、寝室からトイレや玄関へ移動しやすいことも重要になります。



地震火災と感震ブレーカー


大規模地震では、建物の倒壊だけでなく、火災にも注意が必要です。

停電後に電気が復旧した際、倒れた暖房器具や傷ついた電気配線などから出火する「通電火災」が発生することがあります。


感震ブレーカーは、一定以上の揺れを感知すると、自動的に電気を遮断する設備です。


消防庁は、地震時の電気火災対策として、感震ブレーカーの設置、住宅の耐震化、家具の転倒防止、住宅用消火器や火災警報器の設置などを挙げています。


消防庁「大規模地震時における電気火災対策」


ただし、夜間にすぐ電気が切れると避難が難しくなる場合があります。非常灯や足元灯と組み合わせる、一定時間後に遮断する製品を選ぶなど、家族構成に応じた検討が必要です。



35~50歳の子育て世帯が考えたいこと


子育て世帯の家づくりでは、日々の家事動線、収納、学校区、住宅ローンなどに目が向きます。もちろん、どれも大切です。


そこへ「災害時に家族をどう守るか」という視点を加えると、次のような計画が見えてきます。


  • 耐震等級3を基本とした構造計画

  • 制震ダンパーによる繰り返す揺れへの備え

  • 子ども部屋と寝室の安全な家具配置

  • 家族が集まれるLDKの温熱環境

  • 食品、水、携帯トイレを置ける防災収納

  • 玄関近くの非常用持ち出し収納

  • 太陽光発電と蓄電池

  • 停電時にも使いたい回路の計画

  • 家族の避難経路と集合場所の確認

  • ペットがいる場合の避難用品と居場所


住宅ローンを返済しながら子育てをする世代にとって、災害後に大きな修繕費が発生することも大きなリスクです。


すべての設備を一度に採用する必要はありません。


命を守る構造を最優先に、将来追加できる設備と、建築時でなければ対応しにくい部分を整理し、予算を配分することが大切です。




60代前後の建替え・リノベーションで考えたいこと


60代前後になると、「今の家を直して住み続けるか」「建て替えるか」で迷う方が増えてきます。


築年数が経過した住宅には、耐震性だけでなく、断熱性、段差、設備の老朽化、雨漏り、シロアリ、維持管理費など、複数の課題が重なっていることがあります。


この世代の住まいでは、地震の瞬間だけでなく、災害後の生活も具体的に考える必要があります。


  • 寒い脱衣室やトイレをなくす

  • 寝室とトイレを近づける

  • 室内の段差を減らす

  • 大きな家具を減らす

  • 1階だけでも生活が完結する間取りにする

  • 停電時の照明と電源を確保する

  • 薬や医療機器の保管・電源を考える

  • 重い物を高い場所へ収納しない

  • 将来の介護や車いす利用に備える


耐震改修と断熱改修を同時に行えば、壁や天井を解体する工事をまとめられる場合があります。一方、建物の劣化が大きい場合や、間取りを大幅に変更したい場合は、建替えの方が合理的なこともあります。


大切なのは、最初から建替えかリノベーションかを決めてしまわず、建物調査と資金計画を行った上で比較することです



既存住宅は、まず耐震診断から


古い住宅の耐震性は、外観だけでは判断できません。


特に、1981年5月31日以前に建築または着工した住宅は、現在とは異なる旧耐震基準で建てられている可能性があります。自治体の補助制度でも、この時期以前の木造住宅が主な対象になっています。


耐震診断では、壁の量と配置、接合部、基礎、屋根の重さ、建物の劣化状況などを確認し、「上部構造評点」と呼ばれる数値などで倒壊の可能性を評価します。


耐震性が不足している場合には、建物の状態に応じて次のような改修を検討します。


  • 耐力壁の追加

  • 柱と梁、柱と土台の接合部補強

  • 基礎の補修・補強

  • 屋根の軽量化

  • 劣化した柱や土台の交換

  • 建物のねじれを抑える壁配置

  • 制震部材の設置

  • 窓や床、壁、天井の断熱改修


制震ダンパーを設置する場合も、現在の建物がどの程度の耐震性能を持っているかを確認した上で計画します。



2026年度の太宰府市・筑紫野市の補助制度


耐震改修や省エネ改修には、自治体の補助制度を利用できる場合があります。


太宰府市

太宰府市では、2026年度の木造戸建て住宅性能向上改修等補助金として、一定の条件を満たす住宅について、次の補助制度を設けています。


  • 耐震改修工事費の50%、上限60万円

  • 省エネ改修工事費の25%、上限15万円

  • 耐震改修と省エネ改修を合わせて上限75万円

  • 建替え等に伴う除却工事費の23%、上限30万円

主な対象は、1981年5月31日以前に建築または着工した市内の木造戸建て住宅で、耐震診断の結果、上部構造評点が1.0未満と判定された住宅です。

申請受付期間は2026年4月20日から12月28日までとされていますが、予算が上限に達した場合は受付が終了します。


太宰府市「令和8年度木造戸建て住宅性能向上改修等補助金」


筑紫野市

筑紫野市では、一定の条件を満たす性能向上改修工事などについて、次の補助制度を設けています。

  • 耐震改修工事費の60%、上限60万円

  • 省エネ改修工事費の60%、上限20万円

  • 建替え等に伴う除却工事は、対象費用の60%、上限60万円

申請受付期間は2026年4月22日から11月30日までで、予算額に達した時点で受付終了となります。


筑紫野市「住宅性能向上(耐震+省エネ)改修工事等補助制度」


補助制度は、対象住宅、工事内容、施工業者、申請時期などに細かな条件があります。原則として、交付決定前に契約や着工をすると補助対象外になるため、工事の検討段階で市役所へ確認することが大切です。



住宅会社へ確認したい12の質問


新築、建替え、リノベーションを相談するときには、次のような質問をしてみてください。


  1. この住宅の耐震等級はいくつですか

  2. 耐震等級は、どのような計算方法で確認していますか

  3. 太陽光発電などの設備重量を構造計画に反映していますか

  4. 耐力壁の量だけでなく、配置バランスも確認していますか

  5. 地盤調査結果を基礎計画へどう反映しますか

  6. 制震ダンパーにはどのような役割がありますか

  7. この間取りでは、どこに何本設置する計画ですか

  8. 制震ダンパーの性能を確認できる資料はありますか

  9. 地震後の点検は、誰がどのように行いますか

  10. 停電時に太陽光発電と蓄電池で何が使えますか

  11. 冷暖房停止後の室温を保つため、どのような断熱計画をしていますか

  12. 耐震・制震・断熱・設備を含めた総予算を比較できますか


「耐震等級3です」「制震ダンパーが付いています」という言葉だけではなく、その建物に合わせて、なぜその仕様や配置になっているのかを説明してもらうことが大切です。




想家工房が考えるスマートレジリエンス住宅


「想家工房の家なら、地震が来ても安心できる」


そう感じていただくために、私たちは設備の名前やイメージだけで安全性を語りません。


土地、地盤、基礎、構造、制震、施工、断熱、停電対策、そして地震後の点検までを一つの家づくりとして考えます。


地震の規模や震源、地盤の状態によっては、想定を超える力が建物に加わる可能性があります。そのため「どのような地震でも絶対に大丈夫」とは申し上げられません。


しかし、予測できない地震に対して、家づくりの段階で減らせる不安はあります。


想家工房では、次の備えを重ねることで、ご家族の命と災害後の暮らしを守れる可能性を高めます。


1. 耐震等級3を基本に、建物全体で命を守る


想家工房では、耐震等級3を基本とした構造計画をご提案しています。


単に必要な壁量を満たすだけでなく、耐力壁の配置、建物のねじれ、柱・梁・接合部、床、基礎、屋根や太陽光発電設備の重量まで確認します。


開放的なLDKや大きな窓、吹き抜けなどのご希望がある場合も、デザインだけを先行させず、構造とのバランスを取りながら計画します。


家族の命を守る耐震性は、後から簡単に付け加えられるものではありません。だからこそ、間取りを決める最初の段階から構造を考えます。



2. 制震ダンパーで、繰り返す揺れへの負担を抑える


耐震は建物の骨組みで地震の力に耐えるものですが、大きな揺れを受ければ、建物には少しずつ変形や損傷が生じる可能性があります。


そこで、令和8年熊本地震のように強い揺れの後も地震活動が続くことを踏まえ、想家工房では、耐震等級3を基本とした構造に制震ダンパーを組み合わせる提案を行っています。


制震ダンパーが地震のエネルギーを吸収することで、建物の揺れや変形を抑え、構造体や内外装への負担をできる限り小さくすることを目指します。


大切なのは、ダンパーを取り付けたという事実だけではありません。建物の間取りや壁配置に合わせて、種類、本数、設置位置、接合方法を検討し、本来の働きを発揮できるよう計画することです。


「一度目の揺れに耐える」だけでなく、「その後も続く揺れから家を守る」。これが、想家工房が耐震と制震を組み合わせる理由です。


3. 地盤・基礎・施工まで確認し、図面上の性能で終わらせない

どれほど高い耐震性能を計画しても、地盤や基礎、施工が適切でなければ、設計どおりの性能を十分に発揮できません。


想家工房では、地盤調査の結果を確認し、土地の条件に応じた基礎や地盤対策を検討します。


施工中も、構造金物、耐力壁、断熱材など、完成後には見えなくなる部分を確認しながら工事を進めます。


想家工房の「魔法瓶断熱工法」では、断熱材の厚みや施工状態を確認し、気密測定などによって完成した家の性能を確かめます。


カタログに書かれた性能だけではなく、実際に建てた一棟が計画どおりにつくられているかを確認する。


その積み重ねが、地震のときにも、普段の暮らしにもつながる安心だと考えています。



4. 高気密・高断熱で、停電時の暑さと寒さから家族を守る


地震の揺れが収まった後も、停電や断水が続く可能性があります。真夏にエアコンが停止すれば熱中症、冬に暖房が止まれば低温や室温差による身体への負担が心配です。


想家工房は、家の中の温度差を小さくする高気密・高断熱の家づくりを大切にしています。外気の影響を受けにくい家は、冷暖房が止まったときにも室温が急激に変化しにくく、小さなお子様や高齢の方、ペットがいるご家庭の在宅避難を支えます。


これは災害時だけの特別な機能ではありません。普段から脱衣室、トイレ、廊下、寝室などの温度差を抑え、ヒートショックや夏の室内熱中症に配慮した健康住宅が、非常時にも家族を守る力になります。



5. 太陽光発電・蓄電池・V2Xで、停電後の生活を支える


想家工房では、ご希望やご予算に応じて、太陽光発電、蓄電池、HEMS、電気自動車の電力を住宅で利用するV2Xなどをご提案しています。


大切なのは、設備容量の大きさだけではありません。停電したときに冷蔵庫、照明、携帯電話の充電、エアコン、医療機器など、何を優先して使いたいのかを確認し、必要な回路と電力を計画することです。


平常時には光熱費を抑え、非常時には最低限の電気を確保する。日常の経済性と災害時の安心を両立できるように考えます。



6. 温度・空気・水の三つの環境から、災害後の健康を考える


想家工房が家づくりで大切にしているのは、「温度・空気・水」の三つの環境です。


高気密・高断熱による温度環境に加え、プランに応じて第一種熱交換換気や空気清浄設備、全館浄水などを組み合わせ、普段から健康に過ごしやすい住まいをつくります。


もちろん、停電や断水時には設備の一部が使用できなくなる場合があります。そのため、設備があることだけを安心材料にせず、停電時の換気方法、生活用水や飲料水の備蓄、携帯トイレ、防災収納まで含めて考えます。


7. 地域密着だから、地震後も相談できる


家は、完成して終わりではありません。大きな地震の後には、外から見ただけでは分からない接合部や基礎、壁などの点検が必要になる場合があります。


想家工房は、太宰府市を拠点に、筑紫野市や福岡南部で家づくりを行う地域密着の工務店です。営業担当者へ伝えて終わりではなく、建築士や施工管理の担当者が、ご相談から設計、工事、完成後のメンテナンスまで住まいを見守ります。


地域の地盤や気候を知り、何かあったときに相談できる距離にいることも、災害に備える住宅会社選びの大切な条件だと考えています。



想家工房の家が目指す「安心」とは


想家工房の家が目指しているのは、「地震が来ても何も起こらない家」と言い切ることではありません。


私たちが考える安心とは、

  • 耐震等級3を基本に、まず家族の命を守ること

  • 制震ダンパーで、繰り返す揺れへの負担を抑えること

  • 地盤、基礎、施工まで丁寧に確認すること

  • 高気密・高断熱で、停電時の室温変化を抑えること

  • 太陽光発電や蓄電池で、災害後の生活を支えること

  • 温度、空気、水の環境から、普段と非常時の健康を考えること

  • 地震の後も、地域で相談と点検ができること

です。


どれか一つの設備に頼るのではなく、複数の備えを重ねて「もしも」に強くする。だからこそ、地震のニュースを見たときにも、「想家工房の家なら、できる備えをきちんと考えて建てた」と感じていただける住まいを目指しています。


すべてのご家庭に同じ設備を勧めることが最善ではありません。ご家族の人数、年齢、健康状態、働き方、ペットの有無、土地の条件、ご予算によって必要な備えは変わります。


制震ダンパー、太陽光発電、蓄電池なども、採用すること自体を目的にせず、「何を守りたいのか」「停電時に何を使いたいのか」「どの程度の期間を自宅で過ごしたいのか」から、優先順位を一緒に考えます。



地震を怖がるのではなく、家づくりに生かす


大きな地震のニュースを見ると、不安になるのは自然なことです。

しかし、不安のまま急いで契約したり、数字や設備名だけで住宅会社を選んだりする必要はありません。


まずは、

  • 自分たちが暮らす地域の災害リスクを知る

  • 現在の住宅の耐震性を知る

  • 新築とリノベーションを比較する

  • 命を守るために必要な性能を決める

  • 災害後の生活に必要な設備を考える

  • 予算の中で優先順位を付ける

という順番で、一つずつ整理していきましょう。


令和8年熊本地震は、一度の大きな揺れだけでなく、その後の繰り返す揺れ、停電や断水、避難生活まで考えて備えることの大切さを、改めて私たちに問いかけています。


太宰府市・筑紫野市周辺には、警固断層帯という地域特有の地震リスクがあります。


しかし、リスクを知ることは、必要以上に怖がるためではありません。

土地、地盤、基礎、耐震、制震、断熱、電気、水、収納、避難動線までを一つずつ確認し、できる対策を積み重ねることで、住まいの安全性と災害後の暮らしやすさを高めることができます。



想家工房では、

「検討している土地の災害リスクを確認したい」

「耐震等級3と制震ダンパーを組み合わせたい」

「今の家を耐震・断熱リノベーションできるか知りたい」

「建替えとリノベーションのどちらが合っているか比較したい」

「停電時にも家族が安心して暮らせる家にしたい」

といった、まだ計画が固まっていない段階のご相談にも対応しています。


売り込みから始めるのではなく、まずは土地や建物の状態、ご家族の暮らし、ご予算を整理し、必要な備えを一緒に考えます。


地震が起きてから「あのとき考えておけばよかった」と後悔しないために。


ご家族の命、健康、そして災害後の暮らしを守る住まいについて、この機会に考えてみませんか。


想家工房まで、どうぞお気軽にご相談ください。




※地震、制度、補助金等の数値は、2026年7月31日時点で各行政機関が公表している情報に基づいています。


地震活動や制度内容、受付状況は変更される場合があります。最新情報は、気象庁、地震調査研究推進本部、福岡県、太宰府市、筑紫野市の公式情報をご確認ください。


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施工エリア:福岡市(中央区・博多区・南区・西区・早良区・東区)・春日市・大野城市・太宰府市・筑紫野市・那珂川町・糟屋郡(粕屋町・宇美町・志免町・須恵町)・筑豊地区(飯塚市・田川市・田川郡・嘉麻市・嘉穂郡)・筑後地区(久留米市・小郡市・みやま市・八女市・筑後市・大川市・柳川市・うきは市・三井郡・三潴郡・大牟田市近郊)・朝倉市・甘木市・朝倉郡・佐賀県一部(鳥栖市など)

【想家工房株式会社】

【住所:福岡県太宰府市宰府5-20-16】

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